家系図を眺めていると、特定の場に定着して繁栄する世代もあれば、特定の場から離れることで繁栄する世代があります。
定着型繁栄世代から見ると離別型繁栄世代はリスキーで不安定に見えるため、「問題がある」「悪い」「凶」と認識されることがよくあります。しかし、2〜3世代ほど先祖を遡ってみると、同じように離別型繁栄世代があって、数世代おきに生存する場を大きく変えて生存競争を勝ち抜く戦略を採用している…という場合もあります。
どのようなパートナーを選ぶか、選ばないか(好み)というのは生存戦略の方針を鑑みる上で非常に重要なファクターになります(これはビジネスパートナーも同じです)。
例えば、移動や旅行が好きで奔放な人物が同じような相手を選ぶ場合、離別型戦略を採用しやすくなります。反対に地元でずっと安定に暮らしてきた人物が、同じような地元で安定志向のパートナーを選ぶと定着型戦略を採用しやすくなります。
例のように分かりやすいパターンはわりと稀で、だいたいがグラデーションがかっていて「度合い」があります。恋愛・結婚・不妊・浮気・不倫・離婚といったパートナーとの関係を占う際は必ず「背景」を見ていく必要があります。これは病気や事故といったトラブルとして取り扱われる出来事もそうですし、その人の方針は仕事や働き方にも影響してきます。少なくとも「どのような人」を選ぶか・選ばないかによってその人物の「兆し」のようなものが見えてきます。
親世代の「個(孤)」が強くなると、その次の世代はその場を離れる戦略を採用する場合が多いです。例えば、両親が離婚や別居をしているケースです。どうしても、年齢を重ねると「個(孤)」が強くなります。「個」は「固」でもあり、頭が固くなっている状態です。「固」はエネルギー節約戦略の究極系とも言えますが、その場は既に合わなくなってきているシグナルでもあるので、大きく転換が求められます。そのため、子孫もその場を離れるケースが多いのです。
これは家族関係だけではなく、会社の組織などでも言えることです。特定の人物の「固」が強くなると、その下の世代はその場を離れていきやすくなります。もしくは「固」の世代とは全く違った事業を始めるようになります(もちろん「固」にぶらさがる下の世代もいますが、多くが衰退していきます)。
「今よくないこと」をどうにかすることも確かに大事なのですが、少し引いて見ると「よくないこと」の判断が変わる場合もあります。「固」が発生すること自体も、その次の世代が転換するためのきっかけになっていたりするので、背景や現状を踏まえてどう活用していくかが大事だと思います。
にしけい