コミケ限定で発売した「真・西洋占星相術概論」について少し言及しておきます。
本書は「西洋占星術」と称しておきながら、実は重要なのは西洋占星術の部分ではなくて、この概論に至るまでの過程・考察です。
陰陽エントロピー手相術を発表してから2年経ちましたが、本書ではそれを破壊しています。破壊と言いながらもニュアンスはそのまま残しながら、より汎用性・抽象度の高い概念を樹立しています。
西洋占星術と東洋占術の融合点はあるか?という問いに対して一種のアレルギー反応や拒否反応を示す人たちもたくさんいます。無理やり混ぜなくていい。混ざるわけがない、と。
しかし、立場が違えど同じ「人間」を観察対象としているわけですから、相容れる点や相似点が出てこない方がおかしな話です。このブログでも何度も言及していますが、より抽象度が高ければ高いほど相入れるポイントが出てきます。
掘り下げが甘く具体フェーズで議論しているうちは相入れることは不可能だと思われるかもしれません。しかし、本書ではそれが「できることがわかった」ということを書いております。
そして、その融合の架け橋となっているものが僕の場合「相術」ひいては「手相」なのです。
相術を通じて東西の占術のコンバートができます。もちろん完全には一致しないところもありますが、抽象的に理解し、グラデーションで捉える感覚が備われば簡単に相互変換できます。具体フェーズで議論してるから理解し合えないけど、抽象フェーズまで引き上げれば可能です。
— にしけい/Nishikei (@nishikei_) August 1, 2019
完全に相術本です
本書を読んでくださった方々から「西洋占星術の世界に初めてふれたのでよくわからない」とか「これまでの陰陽エントロピー手相術とは違うことを言っている?」というご意見をいただきましたが
これらのご意見やご質問は「行間」を読めていないからこそ起こる現象だと思います。
そもそも、本書は完全に「相術」の本です。一見すると西洋占星術のようなテイストに仕上がっていますが、これはコミケ用の装丁です。
西洋と東洋の世界を融合させることができるぐらい抽象化された普遍的な概念を見つけることができた。これが本書の醍醐味であり、そういった点では完全に相術の本です。
また、書き進めていった中で、陰陽エントロピー手相術とは違う「陰陽無有(むゆう)手相術」という理論体系を見出したわけですが、軸の名称は異なれどこれまでとの主張は全く変わりません。
要点のみを図にまとめ、それを補足するような形で少ない言葉で書いた本です。かなり要約しているので荒削りな部分はありますが、相術の要点は凝縮してあります。
ここで「具体的な活用法」などを提示して、「食べやすいように」説明することも考えました。しかし、せっかく「より抽象的な世界」に没入することができた多幸感に包まれた勢いで書いたのに
また具体フェーズ(人間界)にもどって説明するのはなんかこうナンセンスというか、自分で書いた絵の良さを自分で説明しているような滑稽さがあります。
なので、本書は薄い本なのですが「わかる人にはわかるし、わからない人にとっては何の価値もないなんとなく西洋占星術と手相が組み合わさったような難解な本」になります。
(まぁもともと同人誌としてはそういう方向性で正解だと思いますが)
にしけい≠先生
僕は手相や気学の教室を開講し「教える」ことを生業としています。なので、理解してもらってナンボです。
しかし、僕自身は「講師」とか「先生」とは名乗っていませんし、自分はそのような人間だとも思っていません。
僕を適切にカテゴライズするとしたら「先生」よりも「研究者」「専門家」だと思います。もっというと「アーティスト」という言葉の方が近いかもしれません。
「わかる人にはわかる」「わからない人にはわからない」
そして、それをよしとしているところが自分でもあると思います。
わからない人のために、咀嚼しまくって原型がわからなくなるぐらいの具体フェーズを懇切丁寧に説明しようとは考えていません。わからない人は今はわからなくて大丈夫です。
もしかしたら「今」はわからなくても、数年後とかにわかるタイミングがくるかもしれません。
もちろん質問されたらきちんと理論を説明することは可能です。この理論に至る経緯を説明することは可能です。
しかし「文章で書け」と言われたら、今回の「西洋〜」がたぶんもっともシンプルに伝えたいことを書き切っていると思います。
なのであとは読み手側に任せることにします。
本は共同プロジェクト型の商品なので、読み手の理解力次第で価値が出る出ないが大きくわかれます。だからこそよいのですが、だからこそもどかしく感じることもあります。
見えているものよりも見えていないものの方が大事な気がします。本とか読んでても言葉自体よりも文字になっていない行間の中にその人の息遣いというかエッセンスがあって、それをいかに読み取れるかな気がします。文字を読んで文字を読まない。
— にしけい/Nishikei (@nishikei_) August 2, 2019
行間という曖昧なものを読み取る上で、「色気」みたいなものが必要な気がする。言葉通りインプットするのは機械でもできるし、そういう曖昧さを感じ取れるのは曖昧な自分を許容できて初めてできるのかもしれない。曖昧なことばっかり言っててすいません。
— にしけい/Nishikei (@nishikei_) August 2, 2019
ちなみにスイーツ相術はこの西洋占星相術に書かれている概念をベースに鑑定しています。
抽象化の世界に飛び込むほどより自由になれます。なので手や顔じゃなくても何か形があれば何でも占いの材料に変えることができます。スイーツ相術はその例示のひとつといっても過言ではありません。
今回の西洋占星相術は書く上で、非常に自分自身の知見の幅が広がりました。より柔軟になったというか。
そういった意味では書いてよかったなと思う1冊となりました。
相術というツールは僕を自由にしてくれる最高のツールです。
これを読んでいるあなたにも「あなたを自由に表現し、あなたを無限の宇宙へと誘うツール」があるかもしれません。
矛盾や疑問に直面したとき、それはより抽象的で自由な考えに出会えるチャンスとも言える。
— にしけい/Nishikei (@nishikei_) August 9, 2019
読む人に疑問をたっぷり与えるこの本はコミケ限定販売なので書籍化・一般発売の予定はありませんが、直接会って質問していただければお話しますのでお気軽にどうぞ。
にしけい