あとがきと謝辞
抽象度を高めていった結果、少ない言葉で表現できるようになったため、ページ数はそこまでありませんが、1ページ目・2ページ目に重要なことは凝集されていると思います。蛇足となるようなことを記載して、無闇矢鱈とページ数を稼ぐようなことは致しません。簡潔にまとめたほうが読者の方の理解が進むであろうという狙いのもと、本書のような作りとさせて頂いております。
多くの占い書籍の巻末には「参考文献」が記載されています。参考文献の羅列だけで10ページ以上割いているものもあります。参考文献は確かに調べ物や勉強をする上でありがたい存在です。参考文献を辿りながら調べていくことで、知識を蓄えた経験は僕にもあります。しかし、中には参考文献を記載しない書籍もあります。どのような意図で記載しないかは人それぞれだと思いますが、僕は書籍を書き上げるにあたり「本や資料以外のもの」から着想を得ているので、記載できません。
ご相談や講座といった実践の中で発見や学びがあります。すぐには言語化できないものもたくさんありますし、いまだに言語化・理論化できていないものもたくさんあります。何年も前に占わせて頂いた方から、数年越しで連絡や報告をいただいて初めて得られるデータもあります。そういった細かい実践の積み重ねを1つずつ「参考文献」として記載していくわけにはいきません。お客様の個人情報もありますし、このような場に書き残せない情報が多すぎるのです。僕の仕事は「守秘義務」があります。依頼者・相談者の方から了承が得られなければ基本的に内容を公開することはできません。
それゆえ、家族にも仕事内容を話しません。おおまかに「◯◯県で土地探しの依頼が入った」程度です。そのような状況でありながらも、現場ではたくさんの発見があります。現場で気づいたことを誰かに共有したい、話したい…という気持ちが強くなるとフラストレーションが溜まっていきます。
そこで、僕が思い至った方策が「抽象度を高める」ということです。具体性が高いと「個人情報」になってしまいます。様々な経験の中から「要素や共通項」を抽出することで、情報に普遍的価値が出てきます。
本書のような抽象度の高い言語化に至るには、数多の人々の協力がなくては達成できませんでした。様々な土地や地域でお会いし、お仕事のご依頼を下さった皆様、講座や教室に参加し忌憚の無い質問をぶつけてくださった皆様。様々な体験や経験を得る機会を与えてくださった皆様。拙著の結びになり恐縮ではありますが、感謝の辞を述べたいと思います。ありがとうございました。言語化の精度が低く至らぬ点があるかもしれませんが、本書が僕がお世話になった人たちの数以上の方々のお役に立てれば、この上ない喜びと言えます。
引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。