【水占い1】原初の占い:2種類のアプローチ方法

水占いについて少しずつ書いていきます。

 

水占いの種類

 

水占術は海の流れの印象・干満・増減・嵐・色から占う方法と、水によって作り出された幻視によって未来を占う方法に大別される。これらはペルシア人によって発見された。

ウァロ曰く、とある少年が水の中にメルクリウス神の像を見て、ミトリダテス王に関する戦争の出来事を150篇の詩によって予言したという。

マヌ・ポンピリウス(在位:紀元前715年- 紀元前673年)も水占いを称賛したと言われている。マヌ王は(水を媒介に)神々を召喚し、未来の出来事について知ったという。この術はマヌ王が生きた時代よりも遥か未来のピタゴラス(紀元前582年 – 紀元前496年)も実践したという。

オカルト哲学(De occulta philosophia)

 

この記述によれば「水を使った占い」は水の実像を使う占いと、水を媒介にした虚像やご神託を使う占いの2つに大別できるようです。

 

A.水自体の実像を使い未来を予測する占い

 

例: アッシリア(メソポタミア)の水模様占い(Lecanomancy/レカノマンシー)

水模様占いの占い方

1.  水を溜めた皮袋を用意します。
2.  金や宝石などの貴金属類に、イメージ・名前・文字などを書きます。
3. 書いたものを水に投げ入れます。
4. 水に質問に対する答えや望むことがシンボルやイメージとして浮き上がります。

貴金属ではなく溶けた鉛や蝋を水に落とす方法もあったようです。

 

B.水を媒介に非実像体(神託)を見て未来を予測する占い

 

例: リキュア人(ローマ)の魚占い

魚占いの占い方

1. ディナと呼ばれる海沿いの場所で行われます。
2. アポローン神に捧げた(清められた)木で乾いた砂に穴をあけます。
3. 未来を知りたい人が焼いた肉(串焼き)を神に捧げます。
4. 2で作った器上(?)の砂を水で満たします。
5. そこにさらに魚を入れます。
6. 奇妙な形のもの・通常では考えられないもの(神?)が現れます。
7. その存在が未来に関する事柄を予知し伝えます。

参考サイト:https://bikeclassical.blogspot.com/2017/10/sura-fish-oracle-of-apollo.html

 

参考サイトの記述によると、池の魚たちに串焼きの肉を与えて、その食いつきっぷりなどを見て占っていた…とも考えられるので、神様云々のあたりは不明瞭ですが、神殿で飼育していた魚なのでそのまま「神意」としたのかもしれません。(魚が元気なら水質が良い状態に保たれている?魚観察占い?)

イソップ寓話にある「金の斧(ヘルメースときこり)」の話のように、古代には神が現れて何かしらの啓示を行う「泉」があったとされており、水と神託は強い関連性があったようです。

前者の方は実像を使い、後者の方は一種の覚醒(トランス)状態に到達させるために水を用いているようにも見えます。

前者の方は現代で言えば、航海術・気象学・水力学に発展しており、後者は神事やご神託系の行事として今も残っているように見えます。

「見えないもの」に対してどのようにアプローチするか…虚と実どちらを重視するか…。この違いは現代で占いや未来予測に携わる人のスタンスにも影響が現れていそうです。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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