心霊現象が起きるとか怖い話ではなく、「何かおかしな作りの物件」というものが存在します。
「普通はこの場所にキッチンをもってこないよな」
「このドアの位置おかしいよな」
「この廊下の動線使いづらいよね」
「どうしてこの部分削られてるんだろう」
といった感じで、致命的におかしいわけではないけれど、何かおかしい物件というものがあるんですね。
そういった物件が出来てしまう背景には様々なことが考えられます。
変形地、高さ制限や建ぺい率・容積率、日照権などの制約でしょうがない場合もありますし、予算や工期の都合で妥協してしまうパターンもあります。リノベーション前の名残のせいでそうせざるをえない場合もありますし、開発の段階で「売れればいいんじゃね?」という雰囲気で決まったんだろうな…と思う物件もあります。
施主側のこだわりや要望が色濃く出る場合もありますし、設計者の癖のようなものが出る場合もあります。制約がある中で建てられた物件なのかどうかは、土地の形や容積率などを確認するとわかりますが、制約がないのにおかしなパターンになる場合は施主か設計者(デベロッパー)に原因があるのかなと考えたりします。注文住宅の場合は施主の可能性もありますが、建売の場合は設計者側が原因があったりします。
特定の地域でご相談会などを開催すると、同じ人が設計した違う家を見させてもらうことがありますが、「設計した人の癖」が色濃く表れていて笑ってしまうことがあります。設計した人の性質(未婚、派手好き、見栄っ張り、腎臓が悪いなど)が図面にも色濃く表れてくるんですね。僕の中で「家に飲み込まれる」という表現をするのですが、設計した人の個性が強すぎて、そこに住む人たちがその個性の被害者になるパターンも割とあります。
とはいえ、そこに住む人たちがその住宅メーカーや設計士や図面を最終的に選んでいるので、特定の誰かのせいにできるものではないのですが、家は強力な「縛り」になるので、現象の出方が強烈なんですよね。住宅ローンを組んで購入する方がほとんどですし、合わなかったときのダメージが大きいです。十分な選択肢があるわけではないこともよくありますが、大きな買い物なので慎重かつ柔軟に進めるべきテーマだと思います。
あと、よく感じるのは「何かおかしな作りの物件」に引き寄せられる人は何かを誤魔化し続けながら暮らしている人が多いです。特定の偏りが大きくなっていて、それで固定されている状態になっているというか…。素直な人が建てる家や、選ぶ家ってやっぱり「きちんと無難なもの」になりやすいんですね。
【紀貫之ハウスを見たかった】五年で千年が過ぎたかのような家が生まれる閉鎖系のメカニズム
https://nishikei.jp/kigaku/51439/
↑この記事でも書いたのですが、癖が強い建物って人を選ぶ傾向があって、境界性が強いんですね。なかなか売れない、人が入らないから手入れされない、最終的に人がいなくなる…といった物件や土地です。こういった物件や土地を選ぶ人も、境界性が強い人が多いです。
一見すると穏やかそうに見えても、自分がいいと思ったことは強引に押し通そうとするんですね。極端で特定の部分のみがOKなら他は見なくていい…という感じになりやすいんですね。総合的に判断する柔軟性に欠けるというか…
致命的におかしいわけではないけれど、何かおかしい物件を選ぶ人も出てくる物件の癖によってさらに細分化できますが、共通して「人当たりがよく穏やかそうに見えて特定の部分にめちゃくちゃこだわる」という傾向があります。
家や土地はそれを選んだ人(たち)の潜在意識のようなものが色濃く反映されますし、割とその通りの現象が出てくるのでとてもおもしろいです。
にしけい