「ウツ」と「空」と神社の話(七赤金星・兌・三次元空間の定常状態)

昨日の記事では「袋やカバンは七赤金星だよね」ということを書きました。

「袋」「カバン」ってどんな機能がある?何の象意?
https://nishikei.jp/kigaku/51377/

それで昨日飲みに行ったときに、たまたまお店の店主さんと神社の話になりました。「日本の神社は何もない空間に神様がいると認識している」ということで、松岡正剛さんの「日本という方法」という本をおすすめされました(道中読んでます)。

冒頭に、「ウツロ・ウツリ・ウツロイはそこに何もないと思えていたのに何かが生じてくることです。無情を感じることによってかえってそこから何かが移り出てくる」という文言がありました。

 

それって七赤金星(兌)じゃん

 

気学象意講座2022年で七赤金星を解説した回では、下記のように記載しております。

七赤金星にまず「空間的に広がる」という意味があります。また、セミが殻を破って出てくるように内部空間が広がると外部に穴があきはじめます。この「外部に穴が開いている状態」も七赤金星です。

現在、これを三次元空間の定常状態という風に端的に表現できるようになりましたが、同講座では「器(うつわ)」から始まり、「ツ」がつく言葉は七赤金星の象意が多いということで、「壺」「ツボ」「坪」「津」「突く」「つらい」といった具象例を挙げています。「つ」には「外から内にかかる力」が働いています。

また、七赤金星には「うけ」という言葉にも関連性があると解説しており、「受ける」「ウケる😆」「請ける」といった言葉を例に挙げています。

松岡正剛さんの本では「うつ」は「内側が刳り貫かれたように空洞になっている状態」という風に説明されています。「うつつを抜かす」「夢うつつ」といったりもします。「うつくし(い)」や「うっかり」も、もしかしたら同源かもしれません。

七赤金星(兌)には「悦び」という意味があり、何かに見惚れていて頭の中が空っぽになる状態に由来しております。「ウツロイド」というポケモンがいますが、ふわふわとしたクラゲのようにうつろっていて、対象者の頭に乗って洗脳(思考停止)にする性質をもっていて、まさにウツです(ウツロイドと同シリーズで登場した準伝ウルトラビーストはテッカグヤ・カミツルギなど和名っぽいポケモンが多い)。

話が少しそれますが、最近読んだ『「かわいい」のちから: 実験で探るその心理』という本で『「かわいい」は対象の属性ではなく、人やモノに接したときに私たちの中で生じる感情である』とありました。「かわいい」という感情が出ると損得勘定が希薄になり、理屈や条件といったものが消失する状態になるので、「見惚れる」「骨抜きになる」「心奪われる」「思考停止になる」といった七赤金星の状態と近いのかもしれません。

話を戻すと、「うつ」には「中身が空っぽ」という状態があり、「つ」には「外から内にかかる力」があり、「空間」というのは「外側から作られるもの」であり、神社の神様がいる空間も建物や人間の認識といった「外側から作られるもの」です。

ちょうど居酒屋の店主さんと話していた帰りにいつもお世話になっている神社に寄った際も、宮司の方から「何か良いことがあったら、空に向かって『ありがとう』というだけでも良いことが連続して起きるようになるんですよ」というお話をお伺いして、「空(そら)」ってもしかすると究極の「神社空間」なのかもしれないと考えたりもしていました。そうなると、外側にあると認識している宇宙も、もしかすると僕たちの意識の内側にあるのかもしれません(space = 宇宙・空間)。

ということで、「外側から内側に向かって形成される定常空間」が「七赤金星」であり「兌」であり「酉」なんですけれど、「うつ」と非常に深い関係があると考えています。「うつろう」「うつる」といった「移動」や「遷移」を表す言葉については、僕は「不可逆性」という点で説明がつくと考えています。

七赤金星(兌)は三次元空間の定常状態です。カバンやバッグの中身もそうですが、特定の空間的な広がりがあり、その内部の状態は常に変化します。人間の体内も同じですよね。食べ物や外から取り入れるもので状態が変化します。それでも、人間の体はある程度の状態を保持しています。変化はあるけれど、大枠は変わらない…という状態です。

そうなってくると、どちらかというと周易の「雷沢帰妹」のコアイメージが近いと思います。変化は起きているんだけれど、実は特定の枠組みの中で循環しているだけ…というお話です(ジャン・ボードリヤールの「シミュラークル」の考え方に近いかも?このあたりは周易講座4期で解説していこうと思います。)。

探求の旅は続きます…

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。著書は50冊以上。三児の父。詳しくはこちらから。

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