家系図や親戚関係などを観察していると規則性のようなものが見えてきます。その家がどうやって発展・推移してきたか…というクセのようなものがあるんですね。先祖のクセがわかると、その子孫である現代を生きる我々も少しだけ生きやすくなります。
例えば、磯野家の場合は「変動後安定発展型」という傾向があります。これはどういう傾向かというと、若年期や初代となる人物は移住や環境の大きな変化があるのですが、その変化に順応したあとに安定して発展していく…というタイプです。何代かおきに苦労する人物が出たり、1代おきに拠点を変えるようなパターンです。簡単に言うと尻上がり・大器晩成のような家系のクセと言えます。

なぜ、このような癖があるとわかるかというと、波平が双子で生まれている点と、サザエとカツオの間に10歳以上の年の差がある点から推理することが出来ます。おそらく波平と海平の両親もやや晩婚もしくは、年齢を重ねてから子を授かっている可能性が高いです。また、波平は九州に残らずに東京に出てきている点も重要なポイントです。実家や地元となる拠点を大きく離れることも生存戦略のひとつで、変動後安定発展型の戦略を採用する家系は必ず若年期に移動せざるをえない出来事が起きてきます。
拠点が変化する際に、結婚相手の拠点に引き込まれる傾向があります。フネさんは静岡県出身でフネさんの親族(石田家)は静岡や都内に住居を構え発展しています。なので、苗字は「磯野」ではありながら、やや石田に引っ張られることで発展していますが、マスオも同じような傾向で引き込まれています。おそらく、この流れでいくとワカメが磯野家の当主的な立場になり、カツオは外に出ていく可能性があります。
磯野家には「末っ子の男の子が外に出る」という流れがあり、ノリスケも同じような傾向にあります。ノリスケもタイ子の家に入るような形で九州から東京に出てきています。その流れも加味すると、カツオが東京を離れたところで晩年に子を授かるような流れになるんですね。
それで、こういった家系の傾向や流れのようなものを大まかに把握しておくと、例えば「恋愛がうまくいかない」とか「結婚できない」といった悩みも、「のちのち状況が変わるだろう」ということも見えてきて、そこまで心配する必要がなくなったりします。今回ご紹介した磯野家の例はごくごく一部なのですが、家系図とお墓といった「過去の情報」は未来を見通す上で有用性が高いので、7月ごろから家系とお墓の講座を開講しようと準備を進めております。お楽しみに。
にしけい