七並べで負けまくったら閃いた:「負け」の定義を広げれば勝てるという哲学

先日、久しぶりに家族でトランプをしました。そのときに「七並べ」をしたのですが、あれって何がおもしろいんでしょうか?最初に配られた手札でほぼ決まりませんか?(負けまくった)

そりゃ確かにどのカードを先に出すかで多少は戦略性はありますけど、最初に配られた手札でほぼ勝敗が決まってしまうと考えると、逆転の余地のないクソゲーなんじゃないかと考えてしまったのですが、早計でしょうか?

何度も言いますが、どっちを出そうか・出させないようにしようか…という選択肢があれば楽しいですけど、手札次第では本当にもうどうしようもないこともあるわけです。

これはポケポケ(Pokémon Trading Card Game Pocket)をしていてもよく思います。

「最悪の札を出さざるをえない瞬間」というものがあって、誰もがそのカードを出したくて出しているわけではなくて、考えうるなかで最善だと思うカードが「最悪のカード」である場合もあるんですね。要するに運要素が強いわけです。ポケポケは課金をしたら、引けるカードが増えますが、それでも良いカードが出るかは運次第です。

レアカードやexといった強力なカードが出ればいいですけど、そこも運次第ですし、自分で組んだデッキも最初にどのカードが出るかも運次第なわけです。相手が後手でカスミでオモテが3枚とか出ると、本当に「人生って不公平で理不尽だよな」という気持ちになります。でも、実際そうなのだと思います。七並べもポケポケも「自分の実力や戦略」で勝っていると思わされているだけで、ほぼ運の要素が強いと思います。どうしようもない手札が出たら本当にどうしようもない。そういう時があるんですね。

現実世界でも背景という名の手札の中身は隠れていて見えませんが、「そのカード(行動)を選ぶしか選択肢がない」という場合もあるということです。もちろん、どうにか出来るレベルもあれば、何も考えなくても楽々勝っちゃうという場合もあります。でも、負けるときは絶対負けるんです。それも「運」によってです。

 

「負ける」ってなんだろう?

 

負けついでに「負け」について考えるために、各国の「負ける」というニュアンスをもつ単語を調べてみました。

英語:
“Loss” – 喪失、紛失、亡くなった人への悲しみも意味する
“Defeat” – 敗北だけでなく、落胆や意気消沈も表す
“Fail” – 失敗、不合格、衰える、弱くなる

フランス語:
“Perdre” – 負けるだけでなく、物を無くす、時間を無駄にする、方向感覚を失う

ドイツ語:
“Verlieren” – 負けること、紛失すること、理性を失うこと

スペイン語:
“Perder” – 負ける、紛失する、機会を逃す、列車/飛行機に乗り遅れる

イタリア語:
“Perdere” – 負けるだけでなく、機会を逃す、時間を無駄にする

ロシア語:
“Проигрыш” (Proigrysh) – 負け、金銭的損失、ギャンブルでの損失

中国語:
“输” (Shū) – 負け、液体が流れ出ること、輸送する

アラビア語:
“خسارة” (Khasara) – 負け、経済的損失、愛する人を失うこと

ヒンディー語:
“हार” (Haar) – 負け、降伏、首飾り(同音異義語)

スワヒリ語:
“Kushindwa” – 負けること、できないこと、能力不足

ギリシャ語:
“Ήττα” (Itta) – 敗北、屈辱

フィンランド語:
“Häviö” – 敗北、死、消滅

トルコ語:
“Kaybetmek” – 負ける、愛する人を亡くす、方向感覚を失う

ラテン語:
“Perdere” – 負ける、無駄にする、破壊する

タイ語:
“พ่ายแพ้” (Pāi pǣ) – 負け、降伏、身をかがめる

ポルトガル語:
“Perder” – 負ける、失う、時間を無駄にする、死ぬ

これらを単語から考えると、「負け」には「特定の範囲内から消えること」というコアイメージがあるようです。

1.負ける…勝ちという条件の範囲から逸脱する
2.失う…自分の所有域という範囲から消える
3.見失う…視界という範囲から消える
4.理性を失う…意識という範囲から消える

「負」という漢字は「背」と同じ意味があると考えられていて、「背中」や「背後」というのは自分の視界から消えて見えない世界です(敗北=負ける)。「荷物を背負う」というときに使われる「負う」も背中に乗せているので、視界に入りません。

プラスとマイナスを表す「正負の数」でも「負」が使われています。

「正」の方向は基準点(ゼロ)から外(前)へ拡張していく方向性、「負」の方向は基準点から逆方向(後ろ)へ向かうという意味で、どちらも空間的な移動や境界との関係で理解されています。ものが増えると見えるようになりますが、ものが減ると見えなくなりますし、そのまま特定の範囲内から消えることを指します(減る=負=見えない=特定の範囲の外へ)。

「安くしてください」というニュアンスで使われる「負けて」も、「自分は見逃してください」という意味で使われているのかもしれません。「普通の値段」という範囲があってそれを逸脱した値段で売って欲しい、「普通のお客さん」という範囲から逸脱した特別な人物として取り扱ってサービスして欲しいという意味もありそうです。「おまけ」ってそういうことですよね。

話を戻すと、「運で負ける」という状態は「自分の理解や制御の範囲を超えた力によって、予期した結果の領域から押し出される」ということを指すわけです。そろそろ七並べやポケポケで負けたことがどうでもよくなってきました。

 

範囲が狭まると「負ける可能性」が高くなる?

 

特定の範囲の外に出ることが「負け」なわけです。そうなってくると、この「特定の範囲」が狭ければ狭いほど負ける確率が高くなるということです。反対に「特定の範囲」が広ければ広いほど「勝っている状態」と言える確率が高くなるわけです。

条件やこだわりが増えれば増えるほど「勝利の範囲」が狭くなります。負けやすくなるわけです。そうなってくると話は簡単です。「勝ち」の定義を広くすればいいのです。中に入っていたものが外に出て行くことが「負け」なのであれば、「その中」を広くすればいいわけです。

こだわりや執着を減らして、範囲を広げることで負ける可能性が減ります。範囲を広げる方法はいろいろ考えられます。

・「成功」の定義を柔軟にする
・完璧主義はやめる(完璧主義は範囲が狭くて負けやすくなる)
・目標や可能性を複数に増やす(ゴールをひとつだけに絞らない)
・時間軸を広げる(締め切りを設ける範囲が出来上がってしまう)

負けたときに、改めて勝ちと負けの定義を見つめ直し、勝ちの定義(範囲)を広げることで、負けることはなくなるというわけです。七並べもポケポケも負けたことでこうしてブログ記事がひとつ書けて、何かしら学び得ることができたのであれば、僕の勝ちということです。そういうことにします。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。著書は50冊以上。三児の父。詳しくはこちらから。

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