洛地準則序
夫天地之道原之義乾-天坤-地而各有温陽其来遠矣物各有権與而徒談未節。
論地理説風水相家宅門戸者。後世不挙-肘-眉者。
祖師説而不晤典藉或只推-求其
天と地の道理は天(乾)と地(坤)という基本的な原理に基づいており、それぞれに温かさと陽の気を持っている。これは太古からの真理である。すべてのものにはそれぞれの権威(乾)と与えられた性質(坤)があるが、単に表面的に語るだけでは、その本質を理解することはできない。地理や風水、家相などについて論じる者は、ただ論じているだけでは後世には正当に評価されないだろう。先人の教えは古い文献には残されていないことも多く、その真意を推測して求めて実践していくしかない。
洛地準則(らくちじゅんそく)は土御門家の直弟子である多田鳴凰(ただ めいほう)が安政六年(1859年)六月に書き記した書物です。土御門家は中国から伝わった天文道、暦道、卜筮、占星、祓禊、咒禁、方忌などを研鑽し、当時の日本に適したものになるよう再構築し、それらを用いて朝廷に仕えていました。
土御門家には天文易学や相術の秘書珍本があり、公開は禁止されていましたが、直弟子である多田鳴凰は読むことを許されていました。多田鳴凰は地相・家相や方位等の真理法則が公家や朝廷だけではなく、民衆の土地家屋にも活用できるのではないかと考え、学んだことを実践し落とし込もうと研鑽しました。
冒頭の漢文は洛地準則の序文ですが、鳴凰自身が「知識や文献だけで表面的に語ることは意味がない」と主張しており、実践の場において活用することに重点を置いている人物だと伺い知ることができます。
本書は伏義八卦(易の基本概念)から始まり、方位論、羅盤の使い方、地理風水論、宅地運用法、庭園や池、倉庫、道路など実際に吉凶を断ずる上で基礎となる理論を解くと同時に、実際に特定の状況(東に倉庫を置くには?など)においての注意点や吉凶判断の要点を記載しています。
この本は現代の気学の礎を築いた望月氏や園田氏をはじめ「空間を取り扱う占いを研鑽した人々」のバイブル的な書物であり、「情報源(ソース)」とも言えます。現代に伝わる気学を語る上では必読の書であり、有象無象に溢れている枝葉末節の具象知識を増やすよりも、より「源流寄り」となっている要諦を押さえることが、現代での活用に繋がるのではないかと考えています。
空間と時間と時代
特定の空間に何かが「在り続ける」というのは、その空間の状態を特定の何かが占有し続けることになります。そこにあるものが気候の変化や災害などの不可抗力でその空間に在り続けることができなくなれば、その占有は終わりを迎えます。これは空間には必ず「時間」という要素が付随することを示しています。
洛地準則の序文でも触れられていますが、時代の変遷とともに建築様式や土地利用の形態は大きく変化してきました。かつての広大な公家屋敷を基準とした空間利用から、現代の限られた都市空間での効率的な利用まで、時代とともに空間の使い方は進化を遂げています。
注目すべきは本書が示す「空間を司る者は、時間と時代の流れをも理解していなければならない」という深遠な思想です。何度も申し上げますが、「その空間に在り続けるもの」は「周囲に何かしらの相互作用」を生み、「流れ」を作り出すのです。長く在り続けるためには時代の流れを読むことが求められ、時代の流れを学ぶには「在り続けるもの」と「廃れていくもの」を注意深く観察していく必要があります。
「単に目の前の空間の吉凶を判断するだけでなく、その空間がどのように時間とともに変化していくのか、時代の推移とともにどのような意味を持つようになるのかを見通す必要があるのではないか?」
洛地準則を書いた多田鳴凰はそのようなことを説きたかったのではないかとさえ感じさせられます。
「空間」と「時間」そして「時代」という三つの要素を統合的に捉えるためには「現代でも通用している概念」と「現代では通用しない概念」を吟味し、それがなぜなのかを今一度再考する必要があります。日本において空間を司るために研鑽されてきた気学の原点とも言える書物「洛地準則」を読み直すことで、普遍的に通用する法則が見えてくるかもしれません。
大きな時代のサイクルで見ると、現代は大きな破壊およびリセットを経てこれから「再構築」に向かいます。まっさらになった空間に何をどう構築していくか。組み立ていくか。どのように配置していくか。そもそも自分の「居場所」はどこに「在るべきか」などを考えていく上で、本書はひとつの教科書になりうると考えています。
というわけで、同書を吟味し、現代において再構築していく詳説講座を開講いたします。
洛地準則 詳説読解講座
概要
・洛地準則に何が書かれているのか?
・方位、地相、家相を学ぶ上での根幹となる要素は何か?
・現代に活用するには?
「在る」と「向く」ということを理解することがどういうことなのか?
・それはどのような影響を与えるのか?
・先人たちはどう捉えたのか?
といったことを洛地準則の内容に触れながら解説していきます。
気学を学んだ方にはぜひ押さえておいて欲しい一冊ですし、本書の内容を知ることで説得力や納得感につながると思います。方位や地相家相をこれから学ぶ方にとっても、根底理論をインストールする上で有用性が高いと思います。少し言い回しなどが古く時代錯誤もあり、少し難解な本なので翻訳+解説+実際の現場からの知見を含めて講座を進めていきます。
受講形態
・オンライン(ZOOM)
・動画視聴
動画は基本的には何度も見直すことができますので、何度も見直して理解を深める一助になれば幸いです。
日程と時間
第1回目 2025年3月14日(金)20:00-23:00
第2回目 2025年4月25日(金)20:00-23:00
第3回目 2025年5月23日(金)20:00-23:00
第4回目 2025年6月27日(金)20:00-23:00
第5回目 2025年7月25日(金)20:00-23:00
第6回目 2025年8月22日(金)20:00-23:00
受講料と定員
100,000円(税込)
受講料は前払い一括のみ承っております。講座の途中および終了後も返金には応じておりませんので、ご了承ください。領収書や請求書などの各種書類も発行しております。お気軽にお問合せください。
オンラインではありますが、密に進めていきたいので5名程度とさせていただきます。
お申し込み
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にしけい