「報われ方」「報われる場」にこだわると報われにくいかも

僕は高専から大学院まで9年間、化学を勉強してきました。しかし、今は全く無関係な占いを生業に暮らしています。学歴と職歴の関連性が低い人たちは僕だけではないと思いますし。たくさんいるはずです。東大を卒業してタクシードライバーになったり、哲学を専攻していた人が公務員になったり、これを読んでいるあなたも学歴と経歴の関連性が低いことをされているかもしれません。

占いのお仕事をしていると、様々なテーマのご相談依頼をいただきますが、その多くが「混沌の前後をどう過ごすか」ではないかなと考えています。

この「混沌」というのは、上述したような「これまでと関連性が低い全く新しい世界に向かうためのリセット」がおきます。混沌とした状況とは、右も左も全くわからない状況です。例えば、あなたが朝起きたらバッタになっていたとします。人間として暮らしていた頃とは全く違う世界に送り込まれた時に、あなたは右も左もわからず混乱するかもしれません。

必死な状態、焦りが強い状態、思い通りに進まない状況というのは、選択肢が少ない状態を指します。自分で選択肢を狭めている場合もありますし、病気やトラブルなどによって強制的に選択肢を減らされる場合もあります。やりたいことをやれない、思い通りにいかない。こういった「選択肢が減らされる状態」に至ったときは、ダイナミックな方針転換が必要です。

将棋でどう足掻いても王が取られるという状況(詰み)になったら、ゲームをリセットしてやり直すしかありません。ゲームのようにセーブポイントはありませんから、リセットするとまた最初からやり直しです。ガラガラポンが起きるわけです。

何かの仕事をしていて体調を崩してうまくいかなくなったのであれば、細かいところを修正するのではなく、根本的な働き方や職種自体を見直す必要があります。つまり、ガラガラポンが必要だったりします。どうしようもなくなったらこれまでと全く違う行動をとる必要がありますし、病気や事故やトラブルがそのきっかけになることもよくあります。

選択肢が少なくなってきて、どうしようもなくなったら大きくリセットするしかありません。冒頭に述べたようにこれまでと全く違う世界に飛び込むしかありません。しかし、この「全く違う世界に飛び込む」ことを避けようとする人が結構います。

保守的・頑固になればなるほど、この「全く新しい世界に飛び込むこと」を避けようとしますし、それを忌み嫌う人たちもいます。中には新しい世界に飛び込む人に対して、「ああいう人になってはいけない」「失敗だ」「うまくいくわけがない」と後ろ指をさす人たちもいます。

なんとなく「新しいことに挑戦すること=悪」という空気感が漂う集団組織もあります。そういった空気感に毒されると、新しい世界に飛び込む勇気がなくなったり、それを避けようとします。

また、このままいくと悪い結果を招くと分かっていても、これまでにリソースを投資した分をもったいないと感じて、これまでと同じ事物にリソースを投資してしまう心理傾向 コンコルド効果(サンクコストバイアス)のようなものが働いて、「今まで投資した分」から何かを獲得しようとしがみつく人たちもいます。

火災や災害が起きた時に、財産やモノを取りに戻らなければ助かったのに…という話がありますが、これと同じようにこれまで投資したり、蓄積したものに執着することで状況が悪化していくパターンがけっこうあります。

 

報われたければ形にこだわらないほうがいい

 

投資したリソースからさらに何か得たいのであれば、大きく方針転換したほうが圧倒的に効率が良いです。新しい世界に飛び込んでも全てゼロになるわけではありません。これまでの経歴や自分が注ぎこんだ何かが「形を変えて」生きてきます。

特定の事物に時間やエネルギーなどを注いだ結果、選択肢が減る(詰む)のであれば、その事物から選択肢が広がるようなことは見込めない可能性が高いです。注いだ分リターンが欲しい、報われたいという気持ちはわかりますが、そこで行動不能(詰む)になると報われるチャンスすらなくなってしまいます。姿形や場が大きく変わることで、報われることもたくさんあります。

[選択肢の減少]→[方針転換(混沌)]→[試行錯誤]という、何かが終わりを迎える前後のフェーズが一番きついですし、勇気が必要です。試行錯誤を続けることで、選択肢が増加してくるのですが、この混沌前後が一番怖いし、辛いし、なるべく避けたいフェーズなはずです。

この [方針転換] フェーズ前後をいかにうまく切り抜けるか。新しい世界に飛び込むために助走をつけるか。そういったお手伝いが最近の僕のお仕事のような気もしています。

この混沌前後の話は、仕事だけではなく人間関係や恋愛などありとあらゆる方面に通じる普遍的な話だと思います。

報われたい気持ちは誰にでもあると思います。でも、報われ方、報われる場みたいなものにこだわらなくてもいいのかもしれません。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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