はい、こちら、にしけいです。
カッパドキアからイスタンブールへ戻ってきて地下宮殿バシリカ・シスタンにきています。
前日のカッパドキアの地下都市デリンクユもすごく興奮したのですが、次は地下宮殿です。今回は穴の中に入ることが多い旅です。
バシリカ・シスタンは527年-565年、東ローマ帝国時代にユスティニアヌス1世の指示によって建設されたそうです。
6世紀というと日本はまだハニワとか古墳とかの時代なので、西洋〜中東のほうが文化的にオマセさんだったことを感じさせられます。というか、日本が平和というか素朴すぎただけだったのだと思いますが。
この地下宮殿は商業施設や裁判といった公的な機関として使われていたらしいのですが、途中で「水貯めておくために使うか」と貯水庫として使われるようになりました。
ここで貯めた水は近くのアヤソフィアやトプカプ宮殿に供給されていたそうですが、せっかくの宮殿を貯水庫に変えるってのはけっこう大胆ですね。
床はレンガで覆われ、水の密閉性を高めるために、レンガの粉モルタルの厚い層で漆喰が塗られています。
面積は9,800平方メートルで、貯水量は10万トンと推定されています。(公式サイトより日本語訳)
1人の人が1日あたりに使用する水の量は世界平均で約186リットルと言われていますが、この10万トンを186リットル/日として計算すると、だいたい50万人/日の水量になります。実際水の使用量には現代と違いがあると思うので、もっと多くの人たちの生活水を支えていたことも考えられますが、かなりの規模です。
地下宮殿には魚も泳いでいたらしく、地下宮殿の上に家を建てた人が床に穴をあけて魚釣りを楽しんでいたとかいないとか。ちょっと夢がありますね。
地下宮殿の柱には装飾が施されているものとそうでないものがあります。
多くの石柱には凝った装飾が施されていない中、こちらの石柱は何か精子のようなものが上昇する装飾が施されていました。
カッパドキアでたくさんのちん…を見て中二病モードになっている僕は精子…と表現しましたが、実はこの石柱は「Crying Colummn」(泣いている石柱)と呼ばれていて、この宮殿を建設するために命を失った奴隷たちを慰霊する目的で建てられたとか。
地下宮殿は「何か意味がありげ」に思えるものもあれば、実際は「ありあわせの使えそうな石使ったんじゃね?」説もあって、その中でも一番有名なのが「メデューサの石柱」です。
宮殿内の北西にあるこの2つのメデューサです。
二つのメドゥーサの頭は、貯水槽の北西端にある二つの柱の下にある支柱として使用されており、ローマ時代の偉大な芸術作品です。見学者が最も注目するのは、このメドゥーサの頭がどのような構造のものであったかが不明であることです。研究者の間では、貯水池建設時に柱の支柱として使われていたために持ち込まれたのではないかと考えられていることが多いようです。(公式サイトを日本語訳)
少し離れた位置から写すとわかりますが、ガッツリ他の柱の「踏み台」になるようにメデューサ石が使われています。
伝説にもあるように、メドゥーサはギリシャ神話の地下世界の女性怪獣であるゴルゴン三姉妹の一人である。 三姉妹の一人である蛇頭のメドゥーサは、たまたま目に入ったものをゴルゴナ化(石化)する力を持っています。そのため、ゴルゴネの絵画や彫刻は、当時、大きな建造物や特別な会場を守るために使われていました。そして、メドゥーサの頭を貯水池に入れたのは、貯水池を守護するためだという説もあります。(公式サイトを日本語訳)
とりあえず僕は石化しなかったので、メデューサの力は弱っているようです。
地下宮殿もどこを撮っても絵になるのですが、スマホのカメラだと光が届かないので一眼をお持ちの方は是非もっていかれるといいと思います。
現在は30TLで入場できます。スルタンアフメットあたりを目指せば地下宮殿もアヤソフィアもトプカプ宮殿も見られます。
現地のトルコ人の話によると、普段は人でごった返しているそうですが、落ち着いてゆっくり地下宮殿を見る事ができたので、Go To Turkeyキャンペーンにマジで感謝です!
つづく!