電車に乗り、アルヘシラス駅に到着しました。
アルヘシラスはスペイン南端の港町です。
アルヘシラス駅からフェリー乗り場までは、歩いて10分ぐらいの近いところにあります。
ヤシの木がたくさん植えてあり、南国気分を演出しています。
名古屋市港区もこういうヤシの木を使った南国アピールをしていますが、ヤシの木を見るとやはり南国を連想してしまうので、ヤシの木を植えた人の思惑通りアルヘシラスも南国リゾートといった佇まいを感じました。
アルヘシラスの犬にチッチッチと口を鳴らすとこちらを振り向いてくれました。
過去に行った国全てで犬チッチッチを試していますが、効く犬が多い国と少ない国がありました。スペインは比較的人懐こい子が多いです。
ゲートを抜けて、颯爽と進みます。
ゲートは無駄にハイテクですが、エアーやガスが吹き出すような特殊な機能はありませんでした。
チケット売り場は何社かあって、僕は事前にダイレクトフェリーズというサイトで予約してから行きました。
最近はネットで何でも出来てしまうので本当に便利な世の中です。
フェリー乗り場1階のインフォメーションです。
出発時間と会社が書かれた電光掲示板がオシャレです。
インフォメーションなどでいろいろ聞きましたが、結局ネットから予約した人は出発時間の1時間前に2階の荷物検査所と真逆に位置する窓口でチェックインすればOKです。
紙で印刷していなくても予約番号さえ分かれば照合してくれました。
フェリーのチケットです。これを持って荷物検査を受けてついに乗り込みます。
船に乗ってすぐに客室まで進みますと、入って右側のテーブルに無造作に「入国審査カード」が置かれていました。
テストの模範解答のプリントのごとく「勝手にもっていってください」感があって、意外と盲点を突かれました。
いまいち何を書けばいいのか分かりませんでしたが、パスポートの番号や滞在先など分かる範囲で書きました。
この日はすいていたのでそこまで無かったんですが、入国審査官の列は横入りが横行するスポットらしく
僕の前にもインドネシア人の男性が横入りしてきて「インドネシアと日本はフレンドだからね!」と満面の笑みで言っていたのが印象的でした。
僕が中学のころ思いついた「friend」という単語の覚え方は
「友達のフリ、終わり(end)」だったのを思い出し、我ながらしっくりくる覚え方だなぁと感心していました。
横入りおじさんは入国審査カードがほとんど空欄でしたが、審査官適当に書き出してハンコを押していたのでかなりザルでした。
この日はあいにくの曇りでしたが、船はあまり乗る機会がないのでワクワクしました。
さようなら、ヨーロッパ。
結局、靴は買わずに5日間旅してきました。
9月中旬のスペインは半袖とユニクロのカシャカシャした薄手のナイロンパーカーで事足りると思います。
確かに夜や朝方は寒いですが、それでも15-18度ぐらいでした。
ジブラルタル海峡の上でも手相鑑定をしました。
モロッコのタンジェでブックカバーを作って販売しているおじさんでした。
本当にブックカバーだけ作って食っていけるの?って思いましたが、食っていけるみたいです。
日本人と結婚したいと何度もおっしゃっていましたが、君が好きだと何度も言ってくれていたので、もしかすると僕を口説いていたのかもしれません。
(あとでfacebookのプロフィールを見てみると恋愛対象は男性と女性でした)
それにしても「国名から告白する」モロッコラブテクニックはシャイな男の子女の子の新しい相手の口説き方として有用性が高いかもしれませんね。
好きな人に向かって「日本人と結婚したい」とジャブをかまし、相手の反応が良ければ「◯◯地方の人と結婚したい」と範囲を狭め、まわりくどく遠回りしながらも思いを伝えてみるのもいいかもしれませんね。
そういえば、このタンジェの男性が鑑定中に「あっ、イルカ!」と教えてくれました。
初めての野生のイルカだったのでかなり興奮しました。
海…
船…
ベンチで手を触れ合う2人…
あっ、イルカ…
これらのキーワードが並ぶと、レモン汁が飛び散るような爽やかでフレッシュな少年少女たちの初恋物語を妄想しちゃいそうですが
実際は、36歳のモロッコ人男性の手相を見るアラサーの日本人で…
おっさん2人がねっとりとした生ぬるい潮風に元気のない毛髪を揺らし、おそらくバイセクシャルのモロッコ人男性が日本人既婚男性旅行客を口説くという一定層のファンには堪らない異空間がそこにはありました。
国境は無事越えられましたが、ジブラルタル海峡の真ん中で越えられない恋が1つ…生まれてしまったのです…。
誰か薄い本を出してください。買って1回読んですぐにまんだらけに売りに行きます。
…そうこうしているうちに、タンジェに着きました。 1時間半の航海はあっというまでした。
着いてから外でパスポートチェックがありました。
これはちょっとセキュリティー的にあまり良くないので、最後尾に並んでまわりを警戒しながらパスポートを警官に渡しました。
新タンジェ港は、両替所が閉まっていて売店で両替しました。
とりあえず60ユーロを720ディルハムに両替。
アルヘシラス港から同行してくれた日本人の方が英語がお上手で、いろいろと情報を集めてくださり本当に助かりました。
タンジェ港から市街までは山道を25kmぐらい走らないと着かないので、どうしようと困っていろんな人に話しかけまくっていたのですが
写真の右手に写っている水色のTシャツの男性がタダで乗せてくれることに…
聞くところによると、この男性…国際免許をもっていていろんな国でタクシー運転手をしていて、たまたまタンジェに帰ってきていたところだったようなのです。
これはラッキーでした…。
30分ぐらい車で揺られながら、市街の中心まで乗せてくれました。本当に助かりました。何度もシュクランと謝意を述べ走り去る車を見送りました。
かっこよすぎるぜ…国際タクシードライバー…
旅は続きます。
にしけい