線フェチ手相占い師にしけいが、名古屋にいながら見逃すワケにはいかなかったッ!!!
愛知県美術館コレクション企画「線の美学」に行ってきました。
「線」って不思議なもので、それだけで「境界」が出来たり「意味」があったりするんですよね。
柔らかさ、力強さ、楽しい、悲しい…線だけで「表情」も生まれるし、描いた人と観る人をつなぐ置手紙のような。ラブレターのような。そんなちょっと詩的なことを考えてしまう時間でした。
「線」という視点に着目して作品を観ると、また違った世界が見えてくる…
「線の美学」は、そんな線の機能と表情を堪能できる作品が数多く展示されていました。
そんな中で気になった作品をいくつかご紹介いたします。
アルプレヒト・デューラー作「メランコレア」
「機能」という面ではアルプレヒト・デューラーというドイツの画家の絵の前で足が止まりました。
実はこの作品、近くでよーく見ると濃く「塗られている」ように見える部分も全部「線」で出来ています。
線だけで濃淡・影・奥行を見事に表現してるんです。これ、どうやって構成考えたんだろう…すごい計算力…。
線って1本だけでも何かを表現することはできますが、こうやって集積・増殖させることで何だって出来る…
線の次元・空間を飛び越えた無限の可能性を感じさせる作品です。「線の美学」にマッチしたグッドチョイスです。
手相でも「結婚線だけで結婚を当てる」みたいな書き方をされている本がありますが、僕が思うに、この絵のように線の組み合わせの方が重要だと思うんですよね。
0とか1だけじゃ一次元(点)にしかならなくて、0と1が複数組み合わさってはじめて二次元(線)になると思うんです。
そして、その線と線の組み合わせからより複雑な情報を読み取ることが出来る…手相を観るのと絵を眺めるのって似ている気がします。
小山田二郎作「愛」
そして、線の「表情」という観点から言えば、小山田二郎の「愛」という作品にグッと惹きこまれました。
(画像は貼っていいのか分からなかったので、見たい方はこちらからor愛知県美術館へ)
女性特有のやわらかな曲線と、それをスパッと切ってしまう残酷な直線。
細かい直線がザザッザザッと散りばめられていて、線の温かさと冷たさを感じられる作品。
線の勢いとか、流れから感じとるイメージって万国共通・全生物共通なんでしょうか。
元気満々のテントウムシが飛行するときは直線的でピューンって感じで
今にも死にかけそうなテントウムシが飛行するときって曲線的で弱々しい軌跡になると思うんですよね。
で、テントウムシを捕食する生き物たちはそういう弱々しい飛行の線をたどる方を狙ると思うんです。
だから、この絵を他の生き物たちが見ても「なんか暗い怖い絵だなぁ…」「近寄りたくないなぁ…」といったネガティブな印象をもつんじゃないかな…と、ふと考えておりました。
線がもつエネルギー
自然界で線が出来るとき。
それは、何かしらエネルギーが働いているところに生じる。
風の力、地割れ、水が流れる川、葉脈…
つまり、「線=エネルギーの結果」だと、僕は考える。
そして「逆もまた真なり」で、線からもエネルギーや情報が生み出される。
絵を描く人たちってその線1本、1本に凄い時間とエネルギーを使って表現しているからこそ、何か感じるものがあるんでしょうね…。
線や相から情報を読み取る仕事をしている以上、こういうエネルギーを感じ取る感覚をもっと養っていかなければならないなと、居眠りしそうな女性学芸員さんの頭頂部を眺めながら思いました。
ちなみに、僕は小学生の頃、字がキレイな女の子を好きになる傾向がありました…
なぜか分からないんですけど「字がキレイ=穏やかでやさしい女の子」という法則が自分の中にあって
今思えばあの頃から観相学を無意識のうちにやっていたと同時に、線フェチだったのかもしれません…
にしけい