顕現相術・音相編1

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義務教育でも「音楽」という授業があります。国語や算数は生きていく上である程度役に立つと思うのですが、「音楽」は最悪なくても何とかなりそうな気もします。

コーランには「ムハンマドは音楽が聞こえてきたら耳を塞いだ」という記述があり、「音楽は(死んだ後に)楽しむものだ」という考えがベースにあるためイスラム圏では「音楽」の授業がない国も多いです。

ドイツやイギリスは日本と同じように授業にあるそうですが、アメリカは州や市町村によってまちまち、ロシアやオーストラリアでは音楽の授業は基本的にはないそうです。

好き嫌い問わず、音楽に対する重要度が異なりますが、そもそもなぜ人は「音楽」というものを生み出したのでしょうか。

 

人はなぜ歌うのか?

 

「歌がなぜ生まれたのか?」という理由については諸説あります。

 

1.性淘汰説
2.社会的結束の強化説
3.子守唄を起源とする説
4.言語との相互関係説
5.威嚇起源説

参考文献: ジョーゼフ・ジョルダーニア, 森田 稔(訳)『人間はなぜ歌うのか? 人類の進化における「うた」の起源』
参考文献: 人間の進化と性淘汰(1) チャールズ・R. ダーウィン (著), Charles Robert Darwin (原著), 長谷川 真理子 (翻訳)

 

1〜3は人間も動物なので、鳥のように求愛やコミュニケーションの中で歌を用いた説。4は言語が生まれた後に歌へと派生した説。5は樹上生活を営んでいたヒトが地上で外的から身を守るために声を出して威嚇したという説。

複数人で「同調」することで、社会的結束や威嚇力が増した…という考えもあり、音楽の授業で「合唱」があるのはその頃の名残なのかもしれません。

しかしながら、なぜ「人は歌うようになったのか」という明確な理由は明らかになっていません。

人間に近いアカゲザルが、イルカやコウモリのように「何かを探すために」音響特性を利用して声を発したという事例もあるそうですが、現在見つかっている限りでは、音声学習を行える生物はヒトと鳥ぐらいなのだそうです。

 

なぜ音楽を聴くのか?

 

この記事を書いている最中もイヤホンで音楽を聴いていますが、なぜ人は音楽を聴くのでしょうか?誰かの歌声に耳を傾けるのでしょうか?

音楽がもたらす、癒し・高揚感・精神的快楽作用などは、あなたも体験したことがあるはずですし、科学的にも認められています。

子守唄もその1つで、歌や音楽による「機能」を体験したことをある人は多いのでは無いかと思います。しかし、これがいつごろから行われていたのか、なぜ行うようになったのかはよく分かっていません。

150万年前の初期人類の化石には、現代人と同じように「歌っていた形跡」が見られる※1ようなので、少なくとも旧石器時代には何かしら歌ったり音楽を楽しんでいたとしてもおかしくないようです。

※1 参考文献: Nils Lennart Wallin, Bjorn Merker, Steven Brown 「The Origins of Music」

 

なぜ人は踊るのか?

 

「歌う」と同様に「踊る」も何かしらの音楽を必要とする場合が多いです。

踊りの起源も歌と同様に「社会的結束強化説」「社会的アピール説」「性淘汰説」などがあり、言葉や歌が発達する中で生まれた副産物だという説もあります。

チンパンジーやボノボなどの類人猿も「リズム」に合わせて、体の運動が誘発される現象が見られるため、音楽に合わせて体が動くというのは「本能的」なことなのかもしれません。

 

共通認識と本能

 

日本の葬式でお坊さんがお経を唱えます。木魚をポクポクと叩いたりリズムを取ったりするのもコントなどで見られるぐらいテンプレ化しているわけですが、しめやかな雰囲気を出したい時に例えば「マツケンサンバ」を流したらどうでしょうか。

僕は小学生のころ放送委員として放送室で学校中に音楽を届けていたのですが、あるとき掃除の時間に当時流行していた「ダンスダンスレボリューション」のトランスミックス系の曲をかけて、委員会の議題に上げられ注意されたことがあります。

ノリノリで掃除ができるかなと思ったのですが、「掃除中に踊り出す人がいる」という謎の理由で却下になりました。やはりチンパンジーと人間は同じなのかもしれません。

人間は音楽から受ける印象の「共通認識」があるようで、音程・リズム・テンポ・音色など様々なファクターが組み合わさり、人間の情動や行動に作用します。

「音楽」によって人間は「反応」しているわけですから、無意識的で本能的な機能と言えるわけですが、今回はこの「音楽」が人間に与える影響を自分なりに分解・抽象化したので、3時間かけて可能な限り解説していきたいと思います。

 

静かなる自己分析に

 

上述してきたように「音楽」は人間にとって無意識的な反応と言えそうです。非常に原始的でシンプルな部分に働きかける。そういうツールだと考えられます。

あなたは普段どんな音楽を聞きますか?

葬儀中のマツケンサンバ、掃除中のダンスダンスレボリューションのように「心情や状況とマッチしない選曲」もあれば、マッチする場合もあります。

あなたが無意識にどんな曲を選り好み、変化させているか…これらは心理テストや下手な占いよりも「自分」が色濃く出るはずです。

今回開講する「顕現相術応用・音相講座編」では、音楽を通して自分を知ると同時に、どう付き合い、どう活用していくのか…といった「占いを超えた範疇の話」をしたいと思います。

 

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