「夢や目的を言葉にしたら叶う」は本当?それが本当だったら世界中の人が…

「夢や目標を言葉にすることでそれが叶う・叶いやすくなる」という考えがあります。自らの夢や目標を朗々と語り発表することで、その結果を引き寄せる…といったものです。

The Impact of Commitment, Accountability, and Written Goals on Goal Achievement
https://scholar.dominican.edu/psychology-faculty-conference-presentations/3/

2015年、心理学者Gail Matthewsの研究では、目標を書き出し、他人と共有し、定期的に進捗を報告したグループが最も高い達成率を示すことがわかったそうです。社会的コミットメント理論やアカウンタビリティ(報告義務)の研究論文などもありますが、この論文と基本的に同じような主張で「情報共有によって目標が達成できる!」というものです。

 

斜めから見るにしけい

 

それで、まぁ、あのー、冷静に考えて欲しいのですが、まず「政治家」という人たちがいます。え?もう皆まで言わなくていいって?そうなんです、目標や公約のようなものを多くの人たちと情報共有しているからといって、それが達成されるかというと…てんてんてん。

過去に同じような記事を書いていますが、一度落ち着いて「言葉」と「結果」に相関があるかどうかを冷静に吟味しなくてはなりません。

期待度と成果は比例するのか?
http://nishikei.jp/nishikei-pon-mind/45261/

苦痛と良好な結果は比例するのか?
https://nishikei.jp/nishikei-pon-mind/45261/

あと、個人的にですが、夢や目的を宣言したときのほうがそれが達成されない傾向があるんじゃないかな…と、考えていまして。自分の体験や他の人を観察していても、「情報共有→達成されない」の流れの方が多いんじゃないかなと思うんですよね。

なんとなくこう「話したら満足した」とか「話すことで整理されて、そこまでそれがやりたいことではないなと気づいてしまった」とかね。そういうことのほうが多いんじゃないかなと思うんですよ。

When Intentions Go Public: Does Social Reality Widen the Intention-Behavior Gap?
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1111/j.1467-9280.2009.02336.x

ということで、こちらの研究論文をご紹介します。この研究は一言でいうと、「目標を他人に話すと、かえって達成しにくくなる」という現象を科学的に検証したものです。

「弁護士になりたい」など、個人的な目標を人に話した場合と話さなかった場合では、話した場合のほうが実際の行動量が少なくなったという結果になったそうです。大まかな考察としては、「目標を他人に話すことで、まだ達成していないのに既に達成したような満足感を得てしまう」ということがあるようです。

人間の脳は現実とイメージの区別がつかない…という話もありますから、夢や目標とする状況をイメージするだけで、満足してしまい、その後のモチベーションが下がってしまうのかもしれません。

人によっては言葉や情報共有によって、自分に願掛けをしてガシガシ目標を達成できる人もいるので、一概に言語化・おまじない的なものは否定できませんが、誰かと情報共有することでモチベーションが下がってしまうこともあるようです。僕も胸に手を当てて過去のブログを振り返ると、宣言したけれどそのあと放置していることがいっぱいあるので、みんなも本当に大事なことはブログには書かずにこっそりやろうね!

なーんだ、僕は全然わるくなかったんだ!僕が途中でやめてしまうのもブログのせいだったんだ!よし!今日も楽しくやっていこう!

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。甘酒と文章を書くことも好きです。三児の父。詳しくはこちらから。

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