【暦やカレンダーが生まれた背景】大量の情報を扱いやすくする「チャンキング」を気持ちの整理に活用する

ネットやAIによってさらに加速していますが、僕たちは日々大量の情報に囲まれて生活しています。この生活を「やーめたっ」と言って簡単に抜け出せない状態になってきています。

頭の中で処理できない問題に直面したとき、大量の情報を一気に受けたときにその処理の方法のひとつに「チャンキング(Chunking)」という考え方があります。簡単に言うと、情報をまとまりごとにグループ分けて「量」を調節する考え方です。

これは最近になって生まれたわけではなく、古来より距離・時間・行動・感情など様々な曖昧で膨大な情報を処理する際に使われてきました。

 

なぜ暦が生み出されたか?

 

みなさんが普段使っているカレンダー、暦も時間を処理するためのチャンキングのひとつです。

人間が生まれ、生存を持続するようになり、その生存を維持するためには、食物を入手する必要がありました。元々は山野で食物や虫などを摘み取りながら生活していたわけですが、春夏秋冬と食物の自然的な供給には周期があり、食料を確保する場所や方法は時季に大きく左右されます。

暦は人間が自然界の連続的かつ複雑な変化を理解し、生存に必要な食料確保のタイミングを把握するために生み出されており、それが自然と農耕にも受け継がれました。季節は曖昧で連続的な変化です。これを春夏秋冬という明確な区分にチャンキングすることで、人間は自然をより予測可能なもの(処理しやすいもの)として扱えるようになりました。

季節の周期変動を掴むことは食料や農耕に関わる死活問題であり、その中で曖昧で連続的な時間の流れを年・月・日という明確な単位にチャンキングする方法を人類は長い年月をかけて編み出していったのです。

 

暦以外の曖昧なものを処理する身近なものの例

 

暦以外にも、私たちの日常生活において様々なチャンキングが見られます。

例えば、料理のレシピは複雑な調理工程を「下準備」「調理」「盛り付け」などの段階に分け、さらに各段階を具体的な手順にチャンキングしています。「カレーを作るには一気にばばばーっとやるんだよ!」とだけ説明されても何が何だかよくわかりませんし、情報共有や普及が困難になります。

音楽もチャンキングのひとつです。連続的な音の流れを小節や楽章にチャンキングすることで、複雑な楽曲の理解や演奏が可能になります。音楽の記譜法もある意味、時間的な流れを構造化して理解するための暦のようなシステムと言えるかもしれません。1曲の中の循環なのか、1年の中の循環なのかの違いですが、楽譜とカレンダーは「特定範囲の流れを知る」という点では同じ構造をもっているのかもしれません。

言語も一種のチャンキングシステムです。無限に存在する概念や感覚を有限の単語にカテゴリー化し、さらにそれらを文法というルールで組み合わせることで、複雑な思考や感情を伝達できるようになります。

 

グループ分けや関連付けを行うことで気持ちの整理もしやすくなる

 

チャンキングは情報処理だけでなく、感情や心理的な問題の整理にも役立ちます。

例えば、複雑な感情を「悲しみ」「怒り」「不安」などのカテゴリーに分類することで、自分の気持ちを理解しやすくなります。「日記を書く」「ブログを書く」という行為はチャンキングに溢れた行為で、まず「時季・時間」というチャンキングをして、出来事と気持ちを書く際も自然と頭の中でチャンキングをしています。

ブログだとカテゴリー分けをしたりするので、なおさら「自分が何について書いているのか」を意識しますし、人によっては自分で書いた日記に付箋を貼ったり、整理する場合もあるでしょう。

 

おすすめのチャンキング

 

僕の中でおすすめのチャンキング(分類)は、何か悩んだときにまず「自分でコントロールできること」と「コントロールできないこと」に分けるものです。例えば、子供が熱を出した時に「病院へ連れていくこと」は「自分でできること」ですが、「診断や処方」は「自分でできないこと」だったりします。

さらにもう少し分類を増やすとしたら、「すぐに出来そう」と「時間がかかりそう」に分けます。

 

 

A:自分でコントロールできる・時間がかかりそうなこと

長期的で毎日コツコツ取り組む課題やテーマです。日常的なタスクやお仕事もこれに入ります。

B:自分でコントロールできる・すぐにできそうなこと

パッとできることです。今の自分にできることなので、この領域にあるものは達成感を得やすいです。

C:自分でコントロールできない・すぐにできそうなこと

自分にはできないけれど、誰かに依頼したり、自分以外の人にとっては簡単にできそうなことです。基本的にこの領域に分類されるものは、自分で抱えずにすぐに誰かに任せたほうがいいです。

D:自分でコントロールできない・時間がかかりそうなこと

ここに分類されるものは基本的に手をつけないほうがいいです。今はやるべきことではないし、考えなくても良いことだったりします。思い切って忘れた方が無駄なコストがかかりません。

このようなグループ分けにより、何に集中すべきかが明確になり、無駄な心配や思考の堂々巡りを減らすことができます。

人々の間に文化や文明が生じるとき、必ずこのようなチャンキングがあり、心理的な問題を解決することも平和や文化を形成する上で重要になってきます。まずは、自分自身の心の平和を保つことが大事です。

頭の中で処理しきれない問題に直面したとき、情報や感情をまとまりごとにグループ分けすることで、複雑な世界をよりシンプルに、そして扱いやすくすることができます。曖昧なものを季節や月に分ける暦や音楽や言葉も同じです。

ときどきチャンキング(処理・分類)できない記事を書いてしまいますが、みなさんの頭の中に「にしけい」というカテゴリーができていることを願っています。

にしけい

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書いている

西田 圭一郎 (にしけい)

1987年富山市生まれ。化学系工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いとWeb開発などを生業にしています。趣味は読書と旅とポケモン。文章を書くことが好きです。著書は50冊以上。三児の父。詳しくはこちらから。

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