僕のまぶたに太陽の光がまとわりつく。
「ああ、朝か…」
僕の腹部にまとまわりつく薄い布団を
ベッドにきちんとまとわりつかせて
床に足の裏をまとわりつかせる。
そういえば、今日から僕は夏季休業期間にまとわりついたんだった…。
時計の短い針と長い針は仲良さそうに
数字の「6」のあたりにまとわりついている。
昨日まではこの時間に
食パンや牛乳なんかを歯や胃や腸にまとわりつかせて
さっさと、制服を自分にまとわりつかせて
学校へまとわりつきにいくんだが
何だか調子がまとわりつくなあ。
そういえば、幼馴染の京子が
一緒に海に行こうとまとわりついてきてたなあ。
その言いだしっぺの京子といえば
相も変わらず、ソフトボールの練習のため
朝早くから学校にまとわりついているんだから…
「まったく、本当に海にまとわりつく気があるのかな…」
と、ハァとため息を空気中にまとわりつけながら
ボーッとテレビのニュースに視線をまとわりつかせた。
「いつまでテレビにマトワリツイテんの!」
母の甲高い怒声が耳にキンッとまとわりついた。
僕は旅に出ようという決心がまとわりついた…
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日本語にはたくさんの動詞や形容詞が存在します。
何かを表現するときに同じ言葉ばかりを使用していませんか?
「半端ない」 「すごい」 「ヤバい」
確かに便利な言葉です。
しかし、気が付いたときにはもう
その言葉があなたの脳内の言語野にまとわりついて
はがれ落ちなくなってしまっているかもしれません。
キヲツケヨウ。
にしけい