当事者から離れているから「雑な大声」が出るのかもしれない

 

「近所の◯◯さん家、コロナになったんだって」

「△△の社長、コロナにかからないって豪語してたのに、かかったんだよ。バカだよな」

「コロナになってしまいました。申し訳ございません」

 

なんか違うんだよ。

コロナに限らず、こういう言葉たちにすごく違和感がある。

 

 

僕は持っていないから普段テレビは全く見ないんだけど、たまに地方に行くと見かける光景。

定食屋や居酒屋に吊るされている薄汚れたブラウン管テレビに釘付けになりながら、「不幸な人」「失敗した人」に冷たい言葉や怒りの言葉を投げかける。

アジフライにソースをかけながら、そんな人たちの背中をビッと睨みつける。僕のささやかな社会運動。

明日は我が身じゃん。どうなるかわかんないじゃん。

 

何かの本で読んだけど、人間は距離が離れすぎていると使える言葉は「ヤッホー」とか「おーい」ぐらいで、精度の高いコミュニケーションが取れなくなるらしい。「話す」というよりも、動物の「鳴き声」に近くなる。

距離が縮まるからこそ、声が届きやすく、多彩で豊かなコミュニケーションが取れようになる。豊かなコミュニケーションが取れると得られる情報も増えて、いろいろ分かってくる。分かるから「適した言葉」を投げかけられるようになる。

もしかすると、テレビに毒づく人たちは何かから離れているのかもしれない。それは「ニュースの当事者」との距離ということもあれば、「社会」とも離れているのかもしれない。

離れているから「大きな声」が出るのかもしれない。「ヤッホー」と同じ。離れているから「大きな声を出さなければならない」のかもしれない。

離れているからこそ声が大きくなるし、精度の低く、心無いことを言えるのかもしれない。

主語が大きくなるときも精度が低く、声が大きくなりがちになる。おそらくこれも対象とするテーマから「離れたところ」から投げかけられた言葉だろうなと思う。

声が大きい方が目立つ。これだけ多彩で豊かなコミュニケーションが取れるようになった現代だからこそ「雑な大声」が目立つようになってしまったのかもしれない。

僕が最近大きな声を出したのは、マイクラで子供ゾンビの猛追に遭い死んでしまったとき。深夜1時。「ああああ!」と叫んだ。リスポーン場所からかなり離れたところでやられたので、絶望感も大きかった…。現実世界を離れバーチャル世界に没入しすぎたがゆえに大きな声を出してしまった。

隣の部屋からドンドンと壁を叩く音。「ア・イ・シ・テ・ル」のサインじゃないことは僕にもわかる。社会とのささやかなつながりを感じた瞬間でした。失敬、失敬。

 

にしけい

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

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