前回の記事の続きです。
【文化が全て止まる街】熊本県人吉市にある「ウンスンカルタの家」を訪ねてきました。
https://nishikei.jp/nippon-trip/52852/
特に収穫が得られなかったなぁ…とりあえず、お茶が有名みたいだし、おみやげだけ買って帰るか…とフラッと入ったお茶屋さん。お茶のおみやげどうしようかな…と、迷っていたので、お店の女性店員さんに相談することに。
あれこれと立ち話をしていたら、冷たい美味しいお茶も出していただきました。

「今日はウンスンカルタのことを調べに来たんですけど、あそこのウンスンカルタの家ってところって勝手に入って大丈夫だったんですかね…?」と、ウンスンカルタについて話をしたところ、女性の反応が変わりました。
「え!うちの店主(夫)がウンスンカルタ保存会の会長だよ!会ってく?」と言われ、「おと〜さ〜ん!ウンスンカルタについて知りたいってさ〜」と呼びかけながら、女性は店の奥に消えていきました。
そして、奥から出て来られたのが、ウンスンカルタ保存会の会長、立山商店の店主・立山茂さんだったのです。たまたま入ったお店にウンスンカルタに一番詳しい人がいて、めちゃくちゃ驚きました。福岡を出発する前に立てた卦「水沢節三爻変」のフラグが回収された瞬間でした。
ウンスンカルタと人吉についてあれこれ
何をやっているのかわからない不審者のような学生のような小僧にも、会長は丁寧にウンスンカルタや人吉についていろいろ教えてくださいました。
ウンスンカルタは小学生から80代まで幅広く遊ばれているそうですが、人吉市の人口3万人の中でも競技人口は300人ほどらしいです。ウンスンカルタのルールや来歴については山口吉郎兵衛氏がまとめた「うんすんかるた」が最も詳しく書かれているようです。


「ウンスンカルタのルールやプレイ人数に関するハードルを下げたり、絵柄を現代風にアレンジして普及を図ってはどうか」といったご提案をいただくことも少なくないそうですが、保存会の会長さんとしては「伝統的な形を維持していきたい」というお考えをお持ちだそうです。
確かにおっしゃる通りで、何百年もの間「変わらずに受け継がれてきたこと」にこそ価値があるわけですから、安易に変更を加える必要はないように思われます。むしろ、その不変性こそがウンスンカルタの最大の魅力と言えるのかもしれません。
最近では「夏目友人帳」の人気により人吉市を訪れる方が大変多くなっており、海外からお越しになる方も増加しているとのことです。来訪者の多くは30代から50代の女性の方々で、雑誌「MOE2025年8月号」においても人吉市が特集されたそうです。
熊本県全体としても「熊本マンガ県」を掲げて漫画文化の振興に力を入れており、「くまもとマンガ協議会」の活動や合志市の「合志漫画ミュージアム」についてもお話を伺いました。
鍛冶屋町通りにも、今後「夏目友人帳の特設スポット」が設置される予定とのことで、これからも人吉市は多くの方々を惹きつける魅力的な観光地として発展していきそうです。

ウンスンカルタについての熱い・濃いお話もお伺いできて、実際にプレイしてみたいのですが…いかんせん、5〜8名以上のメンツを揃える必要があり、友人帳の登録数が少ないため断念しかけています…
もし、「熊本に行って一緒にウンスンカルタをやってもいいよ!」という方がいたら、ぜひお声がけください。熊本ウンスンカルタオフ会…が開催される日も来るかも…?
にしけい