「応援していた作家さんが活動休止して投稿されなくなって残念。ずっとインスタ追ってたのに〜」
「昔から通ってたけど、最近行っていなかった飲食店がつぶれてしまってショックだ」
「ずっと目をつけていたWeb関係の情報を発信していた男の子が最近発信しなくなったんだよ」
「たまに行っていたヨガスクールが潰れたから新しいところを探さなきゃいけない。安くてよかったのに」
「応援している」「目をつけていた」「良かった」「推していた」と、口で言うことは簡単です。しかし、それが実際にお金を使って支援するという行動が伴わないと、彼らの活動は継続できなくなります。
SNSや動画やブログなどで、「無料」で情報を手に入れることが当たり前の時代になりました。しかし、それらのコンテンツを作る人たちは時間やエネルギーを使っています。
また、お店や居場所も一度なくなってしまうと、それを元通りにするためには多大なお金とエネルギーがかかります。
なくなって初めて、「残念だ」「なんで活動をやめたんだ」とネガティブな感情を露呈する人が一定数いますが、本当に気に入っている人や店があるなら、単に「残念だ」と後悔するのではなく、きちんと財布の中身で投票・意思表示することが大事です。
上記のように、安価もしくは無料で良いものを提供したいと考える人たちの多くは商売っ気がありません。基本的にいい人たちです。「いい人というだけで商売が成功するなら苦労しない」「無料ならいいけど、お金を払う価値がそこまで感じなかった」といった意見もあるかもしれませんし、それはその通りです。
しかし、特定の人やお店が「常に特定の状態を継続できること」は当たり前ではありません。冒頭にご紹介した人たちの中には、この前提が抜け落ちていると感じました。
どんな素晴らしいクリエイターも、どんな魅力的なお店も、支援がなければ続けていくことはできません。表向きは「趣味でやっている」と言いながらも、実際には多くの時間と労力を費やしていたりします。
ブログ一つ書くにも、動画一つ撮るにも、何時間もかけて企画を考え、制作し、編集しているの場合もあります。それが「無料」だからといって、その価値を軽視していいことにはなりません。
また、小さなお店や施設も同様です。家賃、人件費、材料費など、様々なコストがかかっています。「安くてよかった」というのは消費者としては嬉しいことですが、提供する側にとっては厳しい現実があります。
僕たち全員が好きなものすべてに課金できるわけではありません。限られた予算の中で、自分が本当に価値を感じ、継続してほしいと思うコンテンツやお店を選び、そこに意識的にお金を使うことが大事で、僕は「投票」に近い気がします。
あなたにとって「なくなったら本当に困るもの」は何でしょうか?続いて欲しいものは何でしょうか?
僕は好きな漫画を読み続けたいですし、好きな作家さんの作品はもっと読みたいです。なので、本や漫画は必ず購入していますし、ジャンプも立ち読みせず定期購読しています。好きな動画チャンネルのグッズを購入することもあります。単純に「続いて欲しい」からです。
また、何かを提供する側も「続いて欲しい」と思ってもらえるように努力することも大事ですし、今ついてきているお客さんが当たり前ではないと肝に銘じる必要があります。
双方とも「常に特定の状態を継続できること」は当たり前ではないからこそ、今できることを全力でやる…それに尽きると思います。
にしけい