「易は…」と語るにはまだまだ若輩者ですが、易のおもしろさをお伝えするべく筆を取りました。
知れば知るほど知らないことが出てきて、とらえたと思ったらヒラリとかわされる。掘れば掘るほど底が見えなくなる。易の世界は本当に沼のような魅力・魔力があります。易で実占しているときに、たまに自分がいなくなるような感覚があります。ここではないより外側の世界との一体感のようなものを感じ、易の世界に受け入れてもらえた…という感覚です。このご褒美のような甘美な世界に浸れたと思ったら、一瞬にして「君は何もわかっていないな」と地に叩きつけられるような易の無情さも魅力的です。
最初は梅花心易の本を書くつもりだったのですが、境界線が窮屈に感じてしまい「易入門(仮)」として書き進めていましたが「入門者向け」という感じの内容でもなく、易の世界を走査するように駆け抜ける中で、易の輪郭を少しでも掴んでいただければいいなと筆を走らせました。
死の瞬間これまでの人生が走馬灯のように頭の中を駆け巡る…と言ったりしますが、本書は易の世界を一気に走り抜けるような一冊になっています。一般的な易の本は手取り足取り懇切丁寧に書かれているものが多いですが、本書は読者のあなたに易の世界を一気に駆け抜けてもらいます。給水所はありません。途中でご褒美もありません。声援もありません。
しかし、一気に駆け抜けたあとに「あそこの景色がもう一度見たいな」とか「なんかここは印象に残ったな」というポイントがあれば、それが「あなたの易」になっていくヒントになるでしょう。
易は自由に千変万化し姿形を変えます。易というものをどう捉えるか、どう見ているかでアウトプットも千差万別です。それは占う上でも同じです。占っていると「易の神様」のような存在を感じることがあります。しかし、それは自分自身の無意識の姿や性質をそのまま反映しているようにも見えます。身勝手で自由で質問に答えてくれない。寄り添いも共感もしない。けれど、たまに核心を突いてくる。これが僕の背後にいる「易神様」です。
さて、あなたの背後にいる易神様はどんな姿でどんな性質をもっているでしょうか。本書を駆け抜けたあと、あなたが感じたことが「あなた」自身であり易神様の片鱗となるでしょう。
本書を何度も繰り返し読んだり、思い出した頃にまた読み返していただくと、新たな発見もあるかもしれません。あなた自身が変化していくこと。そしてその変化したあなたを外側から俯瞰して見つめて確認する。占う。選ぶ。考える。行動する。経験する。様々な要素があなたの無意識を変化させ、易神様も姿形を変えていきます。本書がそのきっかけになれば幸いです。楽しんでいってくださいね。
主なトピック
あなたは合理的な判断をしていますか?
内側から外側へ問いかけていく
二択の質問
四択の質問
無作為・乱数で決めていいの?
四象から八卦へ
内と外を8つに分ける八卦
地球上の循環を分ける八卦
「混沌」から始まる神話が多すぎる
八卦を1年・1日・方位に当てはめる
周易について
爻について
爻は4種類ある
全員が犯人?のミステリー小説
梅花心易
超人的な直感力に理論を後付けした?
凶と言われてクールに去れるか?
吉凶を出す
断易(五行易)は八卦よりも爻の世界
生態系のような有機的な温もりを感じる占術
その他の吉凶の出し方
どう対策を立てるか?
各項目で演習問題が入っています。