今後、我々は人工知能や自動運転によって「働き方」や「生き方」を変えざるをえなくなります。
この過渡期に我々は改めて「自分とは何か」というものを直視し「貢献の仕方(仕事)」や「社会との関わり方」を考え直さなくてはなりません。
「自分が何をやりたいかわからないけれど、何かしたい、始めたい」
自分を見つめ直すためのヒント・材料となるきっかけを「手相」というツールを使って提案することが本書の目的です。
「今の自分」がリアルタイムに表れ、事細かく自分の性状を教えてくれる手相は、自分を見つめ直す上では非常に有用性が高く、適職を探す上では非常に役に立つツールなのですが、従来の手相書籍ではこれを生かしきれていないものが多いです。
その理由は、適職を「名詞」で紹介しているからです。
例えば一言で「この手相なら医者に向いています」といっても医者にもそれぞれ専門があったりモチベーションやアプローチの方法は十人十色です。
このアプローチの方法が「どのようなものなのか」を見るには手相は非常に役に立ちますが、Whatの問い答えるには問われた側(占い師等)の名詞化フィルターが必要となります。
それなら「How」に特化した手相本を書けば適職探しの役に立つのではないかと考え執筆を始めたのが本書であります。
従来の「名詞」で答える適職探し手相本とは違い、本書は「動詞」「形容動詞」で線の意味をご紹介していきます。
「人」が「動く」と書いて「働く」なわけですから、名詞ではなくやはり「動詞」「形容動詞」の方がしっくりきます。
重要なのは「何になるのか」ではなく「どう行動するか」なのです。
昨今ではめまぐるしいテクノロジーの進歩に伴い、新たな職業が次々に誕生すると同時に既存の職業が姿を消すインターバルが短くなってきております。
手相を見て「オススメの職業は縄文土器用陳列棚職人です」と言われても、そんな職業がもうこの国には存在しないのと同じで、数年後にはあなたの職業がなくなっている可能性もあります。
逆に今聞いたことも見たこともない仕事が数年後には誕生しているかもしれません。
占いも「何になるか」ではなく「どのように生きるか」「何をするか」にシフトしていかなければならないのです。
本書では、1つの線から読み取れる性質を20個のキーワードを動詞・形容動詞で記載し、起承転結の中ではどれが適しているか等と併せて線の意味をご紹介しております。
この「キーワード抽出」と「アウトプット」の作業を占い師ではなく読者自身でしてもらうことが狙いです。
見方によっては非常に荒削りで丸投げ感が漂う本です。
従来の占いは未来へのレールを占い師が敷き、相談者をそこに導くというスタイルが主流でした。
運命論的に無数にある答えの中から「ひとつにしぼる」ということが最終目的にあります。その結果悩む時間を短縮させるのです。非常に合理的です。
しかし、本書では候補を複数ご用意しております。これらのキーワードを組み合わせることでさらに可能性が無数に存在することになります。本書は可能性を広げるための本です。
「決めること」と「可能性を広げること」は矛盾しているかもしれません。
もっと効率的に合理的に「決めたい」と思われるかもしれません。
しかし「合理化」を追求すると、人間はAIやコンピュータには勝てません。
「正しい答え」つまり「正解」を出そうとするのは、人間がやることではなくなってきます。
我々が今後自分の行動指針を決める上で重要になってくるのは「納得解」です。
そのためにはキーワードの抽出からアウトプットまで自分で考えて「答え」を導き出す必要があります。
従来の「占い師に全て身を委ねる」スタイルの占いではなく、自分で自分の未来を推考(推敲)し、納得解を導き出す。
また迷ったら違うキーワードから模索してみる。このような読者丸投げ型の占い本が1冊ぐらいあってもいいのではないか、という問題提起本でもあります。
丸投げになるかもしれませんが、先に謝っておきます。本当にすいません。お手数をおかけします。