優先席って必要なのか

 

ごきげんよう、廊景谷シイチです。

 

 

ある電車での出来事。

「ごきげんよう」のトークサイコロぐらい大きなカバンを肩からかけた男子中学生たちが電車に乗り込む。5、6人。部活帰りのようだ。

ちょっと日に焼けていて、変声しきっていない様子から、中学1年か2年の男子生徒だということが読み取れた。

電車は空席がポツポツとあって、この団体は少し離れた座席に分かれて座った。

すると片方のグループの男子がこう叫んだ

 

「お前らの席、優先席だぞー!!」

 

 

オレンジ色の座席カバーがかけてある優先席に座る男子2人。

少し恥ずかしそうにまわりを見渡す。それでもしつこく普通席に座る男子が叫ぶ。

「おい!そこは優先席だぞー!」

 

列車は発車。優先席に座る男子二人は申し訳なさそうにうつむいたままゴニョゴニョと目的地まで小声でしゃべり続けた。

 

まわりの様子

 

恥ずかしそうにしていた男子二人が座っていた座席以外にも近くに8席分ほどの優先席があった。

そこには帰宅途中のサラリーマンとか、大音量で音楽を聴く大学生風の男とか、何食わぬ顔で座っていた。

優先席に座っていた中学生二人はまわりを見渡したときに、そんな大人たちが目に入り困惑した様子だった。

そして最上の困惑を提供したのが、優先席の前のつり革につかまって乗車しているオバアサンの存在だ。

このオバアサン、スマホでそこそこの声量で電話していたのだ。

 

「優先席付近ではマナーモードに切り替えるか、携帯電話の電源を切ってください」

車内アナウンスを無視してオバアサンがスーパーで何を買っただとか、帰ったらこんな料理を作るからなどと電話でおしゃべりしていたのである。

中学生二人は何を考えたのだろうか。

 

マニュアル化するからおかしくなるのでは?

 

私もたまに、迷う。

この人は席を譲るべきなのか、どうかということを。

そういうときはなるべく席を譲るようにしているのだが、やはり「あ、いいですよ」と断られたりすることもある。

おばさんなのか、おばあさんなのか、登山リュックを担いでいるということは足腰が強いから断られるかな…この人は妊婦なのか、それともただの肥満なのか…肥満なら立たせた方がやさしさになるかな…とか。

逆に、優先席を我が物顔で「座らせろ」みたいな感じでくるおじいさんもいたりして、なんかそれも違う気がする。だいたいは着席後大股を開いて2人分陣取ったりするし。

 

自分の祖父母ぐらいの人ならサッと譲るようにしているけど、判断が難しい場合もある。

でも、大体はちょっとした気遣いや声をかけるだけでスムーズにいく。

 

もし今後、それが出来ない人が増えてきた場合

優先席のマニュアルが出来るかもしれない…。

 

「70歳以降は優先的に優先席に座らせる」

「糖尿病患者は座らせるが血糖値が○以下の数値の人は優先席から外れる」

「妊娠3ヶ月の女性より6ヶ月過ぎた女性を優先する」

 

そんなものが出来ると

「ワシは70歳と8ヶ月だから、俺の方が優先度が高い!」とケンカする老人たちが出てきたり

「あなた、妊娠3ヶ月目なのに何優先席に座ってるの!」とか指摘する人が出てきたり

しまいには「優先席では駅員が年齢確認のため身分証の提示を求める場合がございます」とか言い出したり

そんなおかしな時代になるかもしれない。

 

システム化・マニュアル化は思考力の低下に

 

「優先席だから座るな!」と叫んでいた男子生徒。

悪気があって言ったわけではないと思う。

でも、ちょっと危険なにおいがした。

 

それは「優先席=中学生は座っちゃだめ」みたいな等式が脳内に刷り込まれて

その等式に沿って行動したことである。

 

それは確かに間違いではないのかもしれないけれど、マニュアル人間への第一歩かもしれない。

誰かが作ったルールやマニュアルに沿って行動するのは確かに楽だ。自分は考えなくていいから。

だけど、それでは思考力や洞察力が衰えていくばかりで、脳が衰退していく。

 

優先席という曖昧な「ル―ル」が出来たこと自体が、少し危険な流れなのかもしれない。

 

女性専用車両に女装して乗る男子が増えると、車掌による股間確認が実施されて、女性車掌に触られることに喜びを感じる男性が増えて、男性車掌が検査することになったりして、それはそれで問題になったり。

車掌への転職を熱望する男性が増え、鉄道会社の求人倍率が凄いことになって、それに乗じて電車賃の値上げにつながるかもしれない。

くれぐれも女装して、女性専用車両に乗るのは1回ぐらいにとどめておくこと。

 

廊景谷シイチ

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

にしけい (西田圭一郎)

1987年富山生。工学修士。商社の開発営業職を辞めて、占いや相術を生業にしています。三児の父。本と旅とポケモンと文章を書くことが好きです。学生気分が抜けません。詳細はこちらから

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